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棚瀬 正和; 本島 健次*
JAERI-M 9753, 39 Pages, 1981/10
核医学の分野で大量に使用されているTcの需要を満たすため、その新核種であるMoの大量製造を目ざした製造技術開発を行った。ターゲット物質として、UOペレットを選択した。原子炉照射で得られた核分裂生成物Moの分離は、真空昇華法という新しい方法を開発し、実施した。照射からMo製品を得るまでの過程と製造装置化、遠隔化を含めた幅広い研究を行った。UOの被覆はAlまたはジルカロイー2管で行い、原子炉照射、冷却したのち、それぞれ開封する。UOをO雰囲気中、約600 Cで加熱し、粉末状のUOへ変換後、真空化、約1300 Cに昇温し、Moを昇華・回収する。この部分では、Moの昇華挙動やIの捕集・回収などの基礎研究を行った後、実規模装置によるMo回収や遠隔化の概念設計を行った。上記方法で得られたMo粗製品を精製し、1バッチ、約50CiのMoを製造することができる。また、副産物Teの有効利用として、Iのミルキングも検討した。
佐伯 正克; 立川 圓造
Radiochem.Radioanal.Lett., 40(1), p.17 - 26, 1979/00
Teをヨウ素源として用い、銅表面での有機ヨウ素の生成機構と表面に留まるヨウ素の化学形を調べた。有機ヨウ素の生成物はCHIであり収率は0.15%であった。その他、CH5IとCHIの生成が認められた。反応条件を変化することにより、銅表面の有機不純物と壊変で生じた励起Iとの反応により放射性有機ヨウ素が生じていることを確認した。大半のヨウ素は銅表面に留まるが、その化学形はCuIであることをヨウ化メチルとの同位体交換反応を用いて確かめた。
棚瀬 正和; 本島 健次
Int.J.Appl.Radiat.Isot., 28(7), p.641 - 643, 1977/07
被引用回数:0TeからIを高収率、高純度でミルキングする簡単な方法が、検討された。IはHe-H (H10vol%)ガス中で550CでCu粒子に吸着したTe-Iから90%以上の収率で分離された。得られたI製品は99.9%以上の純度である。この操作はIのジェネレーターとして何度でも困難なく、くりかえすことができる。
久保田 益充; 天野 恕
Journal of Nuclear Science and Technology, 14(5), p.376 - 380, 1977/05
被引用回数:2夏目らによって提案された核分裂生成物の陽イオン交換による系統分離法をMoおよびTeの調整法として適用した。この場合MoおよびTeの回収率を高め、不純物であるZrNbやRuの量を低下させる条件を求めた。これらの核種の陽イオン交換挙動はUOの粒径、溶解法,溶解後の放置時間,ウランの量によって変化した。Teフラクション中のTeの割合を増し、Mo,Teフラクション中のZrNb,Ruの不純物量を減少させるためには、UOを7MHNOに溶解した後、濃HClで処理し、その後直ちに核分裂生成物を陽イオン交換法によって分離することであった。またより大きな粒径のUOの使用はTeの収率を増加した。MoやTeの分離に影響をおよぼすことなく25mlのカラムで取換えるUOの量は約0.5gまでであった。
久保田 益充; 天野 恕
Journal of Radioanalytical Chemistry, 40(1-2), p.41 - 49, 1977/02
核分裂生成物の陽イオン交換分離によって得られたMoやTeを製造する方法および高純度のTcやIジェネレータを調製する方法についてアルミナカラムを用いて研究した。HCl-アルミナ系でのZr-Nb,Mo、Ru,Te,Npの吸着および脱着の実験から、陽イオン交換分離したMo,Teフラクションをアルミナカラムに注いだ後、HClで洗浄、その後1M NHOHでMoを、3M NaOHでTeを溶離すれば、放射化学純度99.99%以上のMoおよび99.999%以上のTeの製造が容易であった。アルミナカラムに吸着したMoかTeを効率よく溶離するためには吸着後出来るだけはやく溶離する必要があった。MoやTeをアルミナから溶離することなく直接ジェネレータとして使用しても放射化学的純度99.999%以上のTcやIを得ることができた。0.1M HClでTcを、0.01M NHOHでIをミルキングする時の収率はそれぞれ77%および90%であった。Iの収率は文献にみられる値70%にくらべて極単に大きかった。
本島 健次; 棚瀬 正和; 鈴木 和弥; 岩崎 又衛
Int.J.Appl.Radiat.Isot., 27(9), p.495 - 498, 1976/09
被引用回数:9中性子照射したUOからMoを昇華法によって分離する時、問題となるMo,Te,Ruの昇華挙動及びIの捕集と回収について基礎的な研究をした。Mo,Te,Ruは真空下、1200Cの加熱(UOはあらかじめ500CでUOに酸化する)によってほぼ100%昇華することがわかった。IはCuカラムに捕集し、水素気流によってHIで回収されることが確認できた。以上から中性子照射したUOからのMoの分離・製造に際し、その実用化への可能性が得られたと考えられる。